メルボルン17日 - シンガポールで薬物密輸の罪で死刑を宣告され、現在シンガポール、チャンギ刑務所に拘留されているニュエン死刑囚が、12月2日の夜明けに絞首刑執行人が待つ絞首台で死刑が執行されることが決定した。
ニュエン死刑囚の支援者、人権団体、オーストラリア政府、教皇からの死刑判決の撤回を嘆願する要求も受け入れられることなく、遂に死刑が執行される。ジョン・ハワード首相は木曜、シンガポール首相に改めて死刑の撤回を求めたが、その嘆願もやはり拒絶された。
ニュエン死刑囚の母親は、木曜午後2時(東部夏時間)にメルボルンの自宅に届いた手紙で、息子の死刑執行日の決定の知らせを受けた。手紙での通知はあまりにも非人道的である、とメルボルンのニュエン死刑囚の弁護士は語った。ニュエン死刑囚の母親は現在、シンガポールへ出発する準備を進めており、死刑執行日の3日前からニュエン死刑囚への面会が許可される見通し。ニュエン死刑囚本人が死刑執行日を通知されているかどうかは不明。
ハワード首相は、ニュエン死刑囚の死刑執行日に関して、シンガポール首相と会談をした際に機会があったにもかかわらず、直接連絡を受けなかったことに失望の意を表明した。