国際

死の前に多くの手紙をしたためたニュエン元死刑囚、無言の帰国

[シンガポール/3日]2日に死刑が執行され来週葬儀が予定されているニュエン元死刑囚の家族は、彼の遺体と共にメルボルンの自宅に向け、3日夜シンガポールのチャンギ空港を出発した。

母親のキムさんは高等弁務官事務所の職員に、双子の弟のコーアさんはラズリー弁護士に付き添われチェックイン。それぞれが「愛する人の無事を祈り帰還を願う」証しである黄色のリボンをしっかりと身に付けていた。
ラズリー弁護士はシンガポールのリー首相を改めて非難。死刑施行中止を要請し続けたオーストラリア政府の働きについては評価しながらも、今後は死刑に関する一貫した政策を打ち立て、アジア諸国で広く実施されている死刑に反対するキャンペーンを開始し、テロを含む国家的殺人全てに反対すべきだと述べた。
さらに、キムさんとコーアさんを支援してきたシスター、スーザン・チアさんのシンガポール政府に対する死刑廃止要求文を公表。シンガポール国内で宗教団体が政府の政策に反対を表明するのは非常に稀なことだという。

また、ニュエン元死刑囚は死刑執行前にたくさんの手紙を書いており、それらは弁護団によって届けられている。いくつかの手紙は「大切な人々」に宛てられてものだが、私的な内容が含まれているため一般に公開されることはない模様。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら

政治

今年度移民数 予想を8万人超

【ACT18日】   今年度、オーストラリアへの新たな移民数は政府予想を8万人上回る。国内の住宅・賃貸市場をさらに圧迫すると…