[メルボルン-7日]米軍よりテロリストとの疑いをかけられ、キューバのグアンタナモ湾収容所に収容されているアデレード出身でイギリス人の母親を持つデヴィッド・ヒックス氏に、釈放とイギリスの市民権取得という二つの明るい可能性が出て来た。
ブレア政権によるヒックス氏の市民権申請に反対する最終上告は裁判所に却下された。オーストラリア政府と違い、イギリス政府は「特別米軍審判は自然的正義に反している」という見方を持っており、同氏の弁護団は、ブレア政権に対し、他のイギリス国籍収容者釈放のために動いてきたのと同じく、ヒックス氏釈放に向けて力を尽くすことを望んでいる。
ヒックス氏は2001年にアフガニスタンで捕らえられ、殺人未遂並びに敵の救助教唆を行った戦争犯罪共犯の罪で起訴されているが、無実を訴え、現在、裁判の裁定の正式通知を待っている。
ヒックス氏の父親、テリーさんは、息子のイギリス市民権獲得の可能性に喜びを見せながらも、オーストラリア人でありながらイギリス政府の助けを必要としなければならない現在の状況、オーストラリア政府のあり方について複雑な思いを取材陣に語った。