大手の住宅建材メーカー、the James Hardie(ジェームス・ハーディ)社のアスベスト被害補償45億ドルについて、the Australian Tax Office(ATO)は非課税申請を認めないという裁定を下した。
ジェームス・ハーディ社は去年12月、NSW州政府との話し合いの結果、同社が過去に製造していたアスベスト製品の被害補償のために今後40年にわたって45億ドルの補償金を支払うという合意書にサインしていた。同社は補償のための特別基金を設け、非課税のチャリティとして申請していたが、ATO側は同基金がチャリティの条件を満たしていないと却下。
これによって、被害者への補償額が40%も削減される可能性も出てきた上に、ジェームス・ハーディ社による被害補償自体が危ぶまれる事態となっている。モーリス・イエマNSW州首相はこれに対して、被害者救済のための緊急法的措置を検討していると発表した。