キャンベラ1日ーオーストラリアは日焼けの国かもしれないが、高齢者の多くは、太陽の光が入らない室内で過ごすことが多いため、骨疾患を発症する危険性があるという。日光にはカルシウムの吸収を促進し、健康な骨作りに必要な栄養素であるビタミンDを体内で作る作用がある。しかし、高齢者はほとんどの時間を室内で過ごすため、ビタミンD欠乏症の発症リスクを抱えることになる。ビタミンDが不足すると、骨が細く、弱くなり骨折しやすくなる骨粗しょう症を引き起こす可能性がある
National Prescribing Service (国家処方サービス)のRoush(ロッシュ)博士は、ビタミンD不足を予防、あるいは治療するために薬を使用するだけでは不十分だとした。また、同博士は、ビタミンDは脂肪分の多い魚、卵、レバー、強化ミルクなどに含まれていることから、オーストラリア人は食事で十分なビタミンDを摂取していないため、皮膚に害がない程度に、日光に当たることは体が要求する栄養分を作り出すために必要だとした。医師は、1週間で4回から6回、顔や腕などを10分から15分間日光に当てることを推奨している。また、有害な紫外線を避けるため、午前10時以前、または午後3時以降に日光に当てることが理想だとされる。