[ブリズベン24日]Queensland Department of Primary Industries(クィーンズランド州第一次産業省)のMike Bell(マイク・ベル)博士は、処理加工された人間の排泄物が近い将来、農業用肥料として導入されることを示唆した。共同で研究を行っている豪連邦科学産業機構(CSIRO)も環境に優しい肥料として有望視している。
既に、下水汚物をリサイクル処理加工した肥料は厳重な規制の元、使用されはじめているが、各州のガイドラインはまちまちなのが現状。そこでCSIROは全国統一の基準設置を求めている。
ベル博士によれば、燐やニトロゲンなどの化学肥料は土壌劣化の原因となっていて、栄養分たっぷりの人間の排泄物はその回復にはもってこいだという。ゴールドコーストトやサンシャインコーストのいくつかの処理場では乾燥設備を強化し、使いやすい顆粒状の肥料を加工生産する見込み。こうした有機肥料は野菜以外の作物、サトウキビやトウモロコシ、穀類、綿、硬木植林、飼料作物等の栽培に導入される。
さらにベル博士は下水の飲料用リサイクルにも賛成しているが、それをめぐって7月に住民投票が行われたクィーンズランド州南西部Toowoomba(トゥウンバ)の反対派リーダー、Rosemary Morley(ローズマリー・モーリー)さんは、人間の排泄物を肥料として使用した場合、農家は作物の販売に行き詰まることになるだろうと述べた。