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クラブの騒音は芝刈り機並み 若者に難聴の懸念

シドニー29日-Ear Science Institute Australia (オーストラリア聴覚科学協会)の研究員は、パースにある12軒のクラブでの音楽の音量を調査した。これは、会場の騒音を総合的に計算した国内初の研究。それによれば、平均音量は95デシベルを超えており、芝刈り機と同じレベルだという。

しかし、同協会の理事で耳科医のMarcus Atlas(マーカス・アトラス)教授によれば、もっとやっかいなのは、インタビューが行われた300人の客は、大音量空間で平均5時間を過ごしているということで、それは耳鳴りや高頻度の聴力障害を発症するのに十分な環境だと指摘した。

アトラス教授は今回の研究から、若者達の認識不足と新しい懸念が浮き彫りとなったと述べた。また、これはライブミュージックに限らず、最大100デジベル(数時間後に身体を衰弱させる恐れあり)まで増大可能のiPodや他の音楽再生機器も危険だという。さらに、現在の医学では、騒音によってダメージを受けた内耳と有毛細胞(高周波音を感じる)の再生は不可能だとのこと。

半数の回答者はクラブ内での大音量環境が長期の聴力障害の原因になると考えており、事実、56%は過去に耳鳴りがあったことを認めた。しかし、無料の耳栓が給付された場合にそれを着けたいと答えたのは、わずか7%にすぎなかった。

この研究結果は近々国際的な疫学ジャーナルで発表される予定。

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