シドニー24日- University of South Australia(南オーストラリア大学)の科学者は、なぜ出生時の体重が多い赤ちゃんは肥満や関連疾患の糖尿病などにかかりやすいかについて研究している。
世界的な肥満の流行に伴い、妊娠中に体重を増やし、大きな赤ちゃんを産む女性が増加。Beverly Muhlhausler’(ベヴァリー・ムルハスラー)研究員はこうした傾向が拡大しているにも関わらず、妊娠時期における極めて重大な影響についてはこれまでほとんど注目されていなかったと述べた。
食欲と食べ物の選択を司る神経経路は柔軟で、生まれる前に大きく発達するが、一度神経連絡がつながると、食欲調節のパターンは永久に変わらないという。食事に応じた脂肪を生成する肥満細胞内の遺伝子も同時期に確立されるという。
このチームの次の研究は、栄養過多状態を薬で抑えるというもの。脂肪細胞内の特定の遺伝子による過剰な脂肪組織生成を止めることができるという。もし、これに成功すれば、肥満の母親が出産した新生児の肥満率を減少させ、肥満の世代間循環を食い止められると見ている。