シドニー14日-皮膚ガンの発症を予防するためには日光に皮膚を当てる時間を制限しなければならず、またビタミンD欠乏症を予防するためには「日光」によって得られるビタミンDを十分生成しなければならない。Queensland Institute of Medical Research(QLD州医療研究所)の疫学者、Rachel Neale(レイチェル・ニール)博士は、国民はこの一見相反するかのような2つの情報に戸惑っているという。
健康な骨を維持し、ガンの種類によってはガン予防の効果もあるといわれるビタミンDを生成するためには、皮膚を日光にあてる必要がある。同博士は、今後の課題は、2つの異なるリスクを避けるために、どれだけの日光に当たることが適切なのかを示すための分かりやすい国家的ガイドラインを作成することだとする一方、ガイドライン作成は容易なことではないとした。「たとえば冬のブリスベンでビタミンDを生成するために必要な日光を得るには1回に6分から12分の日光浴を1週間に3回から4回行うことが必要。それに対しメルボルンでは51分と地域によって異なる。さらに、皮膚ガンの発症やビタミンDを生成する能力は年齢、体重、食事法、スキンタイプなどの様々な要素が起因となる。そのためオーストラリア全土でガイドラインを作成することは困難を極めるだろう。」と同博士は語った。
専門家らは、慢性的病気、ビタミンDや日光との複雑な関係についてさらに研究を進めている。