キャンベラ17日-主要なシンクタンクThe Australia Institute(オーストラリア研究所)が発表した報告書によると、オーストラリアの実際の地球温暖化ガス排出量は連邦政府の公表している排出量よりはるかに高く、1990年度レベルより最高で20%も増加している可能性があるという。これは京都議定書で提示されたオーストラリアの目標値1990年レベルからの8%増を大きく上回っている。
同研究所は、クイーンズランド州政府が発表した土地開墾の統計値と連邦政府が公表している数値に非常に大きな食い違いがあることに懸念を示し、土地開墾率を考慮して計算した地球温暖化ガス排出量の計算値にも大きな誤りがある可能性を指摘した。
オーストラリアは京都議定書に調印していないが、継続的に京都議定書で提示されたオーストラリアの地球温暖化ガス排出量目標値と実際の排出量の動きを比較してきた。
オーストラリアのガス排出量計算では、土地開墾の減少率をガス排出量とオフセットすることが認められており、連邦政府と州政府の土地開墾率値の大きな食い違いはガス排出量値の計算結果にも大きな差を生み出すこととなる。
クイーンズランド州政府の発表した州内の土地開墾値は、連邦政府の発表した数値より約50%も大きくなっている。
報告書を作成したオーストラリア研究所は、土地開墾に関する統計データを作成している国立カーボン計測システム(NCAS) に、至急独立した再調査を行うように要求した。