シドニー12日ーWorld Health Organisation (WHO:世界保健機関)が発行したクィーンズランド大学の報告書で、オーストラリアでは貧富の差が原因で健康上の格差がますます拡大していることがわかった。同報告書は1989年、1995年、2001年の過去3回に実施された国家的健康調査の分析結果をまとめたもの。
分析結果から、健康的な生活を必要とする人々に対してさらなる健康改善プログラムが提供されない限り、この格差の拡大に歯止めをかけることは難しいことが明らかとなった。喫煙、運動不足、肥満などの健康上の悪習慣は貧困層の間で増加している。実際、貧困地域で暮らす男性の喫煙の割合は、経済レベルの高い地域の男性の約2倍。Jake Najiman(ジェイク・ナジマン)社会学部教授は、貧困層の食生活、アルコールの使用、運動パターンを改善することが国家としての最優先課題であるとした。