シドニー14日ーBenjamin Cox(ベンジャミン・コックス)さん(18歳)は、小学校時代にいじめを受けていた件に関してNSW州政府に対し訴訟を起こしていた。NSW州最高裁判所のCarolyn Simpson(キャロリン・シンプソン)判事は14日、NSW州政府に対し約100万ドルの損害賠償金の支払いを命じた。
コックスさんは、6~7歳の時、NSW州のHunter Valley(ハンターバレー)のMaitland(メートランド)にあるWoodberry Public School(ウッドベリー公立小学校)で上級生から繰り返しいじめを受けていた。判事は、コックスさんの母親がいじめ問題を再三にわたり訴えていたにも関わらず、学校側の対応が不十分であったことを認めた。
コックスさんは現在重度の精神障害を患っている。判事は、「いじめにより、コックスさんの青春は打ちのめされた。コックスさんはおそらく生涯にわたり精神障害に苦しむことになる」と語った。
弁護士は、今回のケースは、いじめの被害者が今後の裁判で多額の損害賠償を勝ち取ることができることを証明したと話す。シンプソン判事は、コックスさんはうつ病やその他の症状に対する遺伝的素因があったことを示す司法精神鑑定を認めたものの、コックスさんが現在の病状に至った要因はいじめにあるとの見解を示した。