シドニー13日―NSW州の一部に大被害を及ぼした先週末の大雨は、Hunter Valley(ハンターバレー)ワイン地域にとっては“夢”のような歓迎される出来事だったようだ。同地域のダム貯水量は、ここ30年以来の最高値を記録している。
Keith Tulloch Wine(ケイス・トゥロックワイン)の4代目ワイン醸造者Amanda Tulloch(アマンダ・トゥロック)氏は、「この地域は洪水の影響を少しもうけず、集水地の低地に位置しないため、嵐による被災をうけなかった」と語り、「雨が降ることを心から願っていたので、大雨が降ってみんな喜んでいる」と、ダム貯水量の大幅な増量を大歓迎した。
大手ワイン醸造業者Tyrrell’s Wines(テリルズワインズ)のBruce Tyrrell(ブルース・テリル)代表取締役は、この数年間、干ばつの影響を受け収穫量の減少に面してきただけに、この大雨によって春の発芽時期に先掛け土壌が十分に潤い、次の収穫期に収穫量の増加が見込まれると期待を示した。
NSW州Matt Brown(マット・ブラウン)観光相は、13日、同地域を視察し、嵐後の営業の再開を宣言し、ハンターバレーワイン地域への観光客に、同地域への旅行を延期する必要はなく、観光業は通常通り営業中と呼びかけた。
観光業団体Tourism and Transport Forum Australia(TTF オーストラリア:オーストラリア観光・交通フォーラム)によれば、日帰り観光客が今年3月末までの12ヶ月間にハンターバレーで費やした金額は4億500万ドルで、国内のどの観光地域よりも高い値となっているという。