シドニー29日ー3歳の女児に薬物を飲ませ、その後、女児の自宅に火を放って殺害した容疑で、NSW州Albury(オルバリー)在住のJames Harry Barton(ジェームス・ハリー・バートン)被告(50)に29日、懲役42年の有罪判決が下された。
バートン被告は2004年9月3日、女児の父親にライフルで発砲した上、ライフルを使って、それが二つに折れるほど激しい暴行を加え殺害。その後、犯行を隠すために、女児と5歳の兄に麻酔・鎮静剤のメタドンを飲ませ、家に火を放った。その火災で女児は死亡。近隣に叫び声が響き渡ったため、バートン被告は疑惑をそらすために兄を助け出したが、少年は長期にわたって心的外傷の後遺症に苦しんでいる。
殺害された父親の兄は法廷外で、少年はバートン被告の刑期よりも長く苦しむことになるだろうとコメントした。
この事件の原因となったのは、被害者の父親が、バートン被告やオルバリー在住の他の住民に対して、何年にもわたって行っていた暴力的な脅しやゆすりだった。父親は強盗を含む犯罪歴を持ち、薬物使用者でもあり、検死の際、血液から大麻、メタンフェタミン、モルヒネ、アルコールが検出されている。また、バートン被告に対する脅迫は、キャンプ中に同被告が少年に性的暴行を加えたとするもので、金額は数千ドルにも及んでいた。
NSW州最高裁判所の陪審は昨年、女児の殺害、父親の故殺および女児の兄に対する殺害未遂容疑でバートン被告を有罪とした。
Terence Buddin(テレンス・ブディン)裁判官は判決時、同被告の犯した罪は最悪の部類に属するものだが、母親を亡くした後に重度のストレスに苦しんでいたこと、また被害者の父親による脅しが大きな挑発、プレッシャーとなって犯行につながったと述べた。さらに、少年を救ったことも考慮しなければならないと付け加えた。
バートン被告には最低35年の懲役刑が言い渡され、仮釈放を申請できるのは82歳になってからとされている。