キャンベラ29日ー次回の連邦総選挙で誰が勝とうと、イギリスのウィリアム王子が次期オーストラリア総督となることはなさそうだ。
ダイアナ元皇太子妃の最期を綴った新しい伝記『Diana Chronicles(ダイアナ物語)』によれば、ウィリアム王子はオーストラリア総督になることを望んでいるという。父チャールズ皇太子も過去にそれを考えたことがあったと著者Tina Brown(ティナ・ブラウン)は書いている。
しかし、君主制賛美者のジョン・ハワード首相でさえ、将来、王子が総督に就任することはまずないとしている。また、Kevin Rudd (ケビン・ラッド)労働党党首は、国に貢献し、総督の任務にふさわしいオーストラリア人は大勢いると述べ、王子の考えを奇妙だと評した。
英国王族がオーストラリア総督になるという考えは今に始まったことではない。1979年、チャールズ皇太子は王室解説者のBarry Everingham(バリー・エバリンガム)氏に豪総督に就任したいとの意向を示した。皇太子は、豪首相に請われるまで待たなければいけないことを了承するが、首相からの要請は来なかった。また、歴代豪総督の中で最も人気があった1人に、1953年から1960年まで同職に就いたイギリス人William Slim(ウィリアム・スリム)卿がいる。
Australian Republican Movement(ARM:豪共和主義運動)は、英国王族が豪総督に就くという考え自体が、英国女王が憲法上、国の元首となっていることの無意味さを示していると述べた。