シドニー2日ーオーストラリア、米国、スロバキアの科学者による研究の結果、ストレスが体重の増加を引き起こす原因が判明した。慢性的なストレスは体の脂肪細胞を増殖させるという。
今回の結果から、今後、脂肪細胞を縮小、あるいは消滅させる治療法の開発が可能になるかもしれない。
シドニーのGarvan Institute of Medical Research(ガーバン・インスティチュート・メディカル・リサーチ)神経科所長のHerbert Herzog(ハーバート・ハーゾグ)教授は、今回の研究が社会に蔓延する肥満問題を解決する方法を模索する上で多大な効果を生むことを期待したいとした。
同研究では、ストレスのあるマウスとストレスのないマウスに脂肪分と糖分が高い食事を与えて実験を実施。その結果、ストレスのあるマウスはストレスのないマウスと比較して体重が2倍増加した。
ハーゾグ教授によると、ストレスを感じると、神経ペプチドYと呼ばれる神経伝達物質が放出され、これにより体内の脂肪細胞内のリアクターが解放された状態になり、細胞が肥大し、増殖する。
「脂肪が蓄積する前に防止することができれば、肥満と関連性のある心臓病、糖尿病、ガンなどの病気の発症数に大きな変化がみられるだろう」とハーゾグ教授。
今回の研究結果は、2日に出版された雑誌 “Nature Medicine(ネイチャー・メディスン)”に掲載されている。