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先住民関連相、病めるアボリジ二先住民社会を視察

サンタテレサ、NT準州5日-Mal Brough(マル・ブラフ)連邦先住民関連相が5日、病めるノーザンテリトリーのアボリジニ先住民コミュニティーの1つ、Santa Teresa(サンタテレサ)を視察した。

飲酒禁止法の適用地区を指定する“grog line(アルコール境界線)”から14キロ離れた地点に位置するサンタテレサでは、荒涼とした何もない赤い大地に、ビールの空缶が果てしなく散乱する光景が広がる。地元住民が、砂漠の寒い夜に夜通しの酒盛りをするために火を焚く薪として、周辺の木は全て伐採されてしまったという。高台の向こうには、泥酔し絶望感に耐え切れなくなった人達が足を運ぶという電柱が立っており、彼らはこれによじ登って飛び降り自殺するという。

これが、約500人が住む砂漠のコミュニティーの現状であり、これより更に悪化した状態のものも存在するという。支払日には、住民は80キロ離れたAlice Springs(アリススプリングス)まで車で押しかけ、お金が尽きるまで酒を飲み続ける。

サンタテレサでは、親達が酒を飲む間は祖母が子供達の面倒を見ているという。地元の祖母の1人Lena Cavanagh(レナ・カバナフ)さんは、「アボリジ二の人々に飲酒をやめて欲しい。彼らが酒を飲むとケンカや殺し合いが始まる。私には母も、父も、兄弟姉妹も、従弟も何ものこっていない。みんな酒に殺されてしまった」と、悲惨な現状を語った。

ブラフ相は、先住民問題に対処するための新たな制度の施行に関して、地元住民の質問に答え、「我々が今本気で取り組んでいる問題は、子供達の安全です。国が、やっとここで起きている問題に関心を払い出しました。この国には問題があり、我々は本当にこれを解決したいと望んでいるのです」と訴えた。

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