【メルボルン29日AAP】性転換手術をした女性が、出生証明書の性別を男性から女性に変更することを求めていた裁判で、連邦裁判所はこの女性の上告を棄却した。
VIC州に住むこの女性は、2002年4月に性転換手術を受けて女性となった。2005年7月に出生・死亡・婚姻届け登録機関に、出生証明書の性別変更を申請したものの、この女性がすでに結婚していたことから申請が却下された。VIC州の法律では、未婚者の性別変更は認めらているが、既婚者には認められていない。その理由は、連邦の法律では同性婚が認められておらず、州法をこれと矛盾させないためである。
この女性は裁判で、婚姻の有無や女性であることを理由にした差別であると主張し、また州法が連邦の性差別禁止法に反していると主張した。
29日にメルボルンで行われた裁判では、3名の裁判官が2対1で上告の棄却を決定した。判決では、VIC州法と連邦法は矛盾しておらず、また州法では性別に関わらず既婚者の性別変更は認められていないため、性差別には当たらないとの判断がなされた。