【キャンベラ30日AAP】オーストラリア経済が急発展しているにもかかわらず、人口の10%にあたる約200万人ものオーストラリア人が貧困の中で暮らしているという報告が、30日発表された。
この「Australia Fair(公平なオーストラリアを)」というキャンペーンは、オーストラリア社会事業審議会(ACOSS)によって打ち立てられ、オーストラリアと他の先進国を教育や環境、健康など10分野において比較した調査結果が発表された。
貧困の境界線を、平均収入の半額に設定するという国際的な基準が用いられた結果、オーストラリアにおける貧困層は1994年には7.6%だったのが2004年には9.9%にまで増加したことが分かった。またイギリスやアイルランドで用いられている基準を用いると、貧困層はさらに拡大し、2004年の時点で人口の19.8%が該当することになる。
ACOSSのリン・ハットフィールド・ドブス会長は、経済繁栄による恩恵をオーストラリア社会全体で共有できるように政府が取り組む必要があると述べている。
またこの報告では、人口の40%が歯の治療を受けなければいけない時に、受けられない状況にあることも示された。さらには、オーストラリアの持ち家所有率は70%であるが、英語圏の先進諸国の中では、オーストラリアの住宅価格が最も国民の手の届きにくい状況であることも明らかになった。