【ブリスベン3日AAP】ブリスベンで3日、第10回リバー・シンポジウムが開催され、40カ国から集まった代表団が川の現状、ダム建設、干害、気候変動について議論を行った。
現在、川環境の悪化に伴い、川イルカが絶滅の危機に瀕している。また、その影響は人体にまで及ぶ恐れもある。
世界自然保護基金(WWF)の川イルカに関するイニシアティブ・コーディネーターのアンナ・フォースランド氏は、中国の揚子江、カンボジアのメコン川、インドのガンジス川、パキスタンのインダス川は世界で最も危険にさらされている川で、これらの地域では川イルカの頭数が減少していると語った。
川イルカはマイルカよりも小さく、鼻部分が長く、失明している場合が多い。川イルカの認知度は低いが、世界で最も絶滅の危機にさらされている種である。1970年代以来、ダム建設、魚の乱獲、汚染、下水の影響で川イルカの頭数は約1000頭にまで減少した。
「川イルカにとっても人間にとっても川は非常に大切な存在。川イルカと同様、水質の悪い川はその地域に居住する人々にも悪影響を与える。川イルカの頭数が減少していることが川の水質の悪さを物語っている」とフォースランド氏。
WWFのジェイミー・ピトック氏は、WWFから同地域に派遣された50人の職員によって、川イルカの救出、健康なエコシステムの回復、養殖に関する教育プログラムの提供、貧困の削減などへの努力が行われていると語った。