【キャンベラ28日AAP】WWFオーストラリアによって委託され、前CSIRO気候影響研究グループの主任だったバリー・ピトック博士が行った気候変動問題の研究によれば、地球の温度が平均3℃以上上昇した場合、オーストラリアに大被害が発生するという。
この仮定では、熱に関連した死者数は3倍増となり、海岸地域から住民の集団移動が行われ、グレートバリアリーフのような国のアイコンも確実に失われ、ブッシュファイヤーの頻度は倍増し、動物や植物の多くが絶滅するという。この分析は、地球温暖化ガス排出量が2050年に1900年レベルより60%増加する仮定で行われた。
同博士は、「さらに深刻なのは、地球の温度が2~3℃上昇した場合に、止めることが不可能な気候の転換点に達してしまい、上昇温度が3~4℃になった場合には、ほぼ確実に不可逆的変化点を通り越してしまうという発見だ」と警告した。
グレッグ・ボーンWWF代表は、今回の報告書は連邦政府の注意を喚起するものだと述べ、「この報告書によって、オーストラリア政府が地球温暖化ガスを半減させる目的に沿わない国際的取引の交渉を行うことは、如何なる交渉であっても国の利益に反することが証明された」と、訴えた。