【シドニー30日AAP】フェアファックス紙は30日、モリス・イエマNSW州首相が同州で発生した重大犯罪に対する法定最低刑期を定める法案を導入する方針であると報じた。同案には、児童殺害に対して最低25年の刑期を義務付ける内容も含まれている。また、法定最低刑期が採用される罪種が5種から15種に増える。
イエマNSW州首相は、同案は同州議会で2週間後に導入される予定とした。
一方、野党司法長官スポークスマン、グレッグ・スミス氏は、イエマ州首相の今回の発言は誇大発表と批判。スミス氏によると、同法案が施行されれば、児童を殺害した犯人は執行猶予なしの25年刑期の判決を確実に受けることになると考える人は多いという。しかし、実際は同案に法的効力はない。
「被告が罪状を認めた後の判決では、ほとんどの犯罪において執行猶予なしの判決が下ることはない。公判後に有罪となったわずかなケースのみ、同制度が適用される」とスミス氏。
スミス氏は、同案の発表は残酷にも被害者の家族の期待を持たせ、遺族は悲しみを癒すどころか最終的に不本意な結果に絶望することになる。