【シドニー4日AAP】伝説的なオーストラリア人世界水泳チャンピオン、トレーシー・ウィックハムさんの19歳の娘、ハナさんが、3年間の癌との闘病生活の末、火曜日の早朝にブリスベン病院で死亡した。ハナさんは、念願の心の伴侶だった恋人との結婚式をベッド脇で執り行った数時間後に息をひきとった。
ハナさんと結婚相手で同じく癌の治療を受けていたトム・オドリスコールさん(20)は病院で出会い、2人の癌は一時鎮静化したものの、今年初めにハナさんに悪性の癌が再発した。2人は10日後にサンシャインコーストで結婚式を執り行う予定だったが、ハナさんの症状が悪化し残された時間がわずかとわかった時点で、至急病院での挙式の手配が行われた。ハナさんは、3年前に足に腫瘍があると診断され、その後、片方の肺へ癌が転移していた。
トレーシー・ウィックハムさんは、2度の世界水泳チャンピオンで、400メートル、800メートル、1500メートルフリースタイルの世界記録を維持している。トレーシーさんは、「娘は何が起こっているか知っていました。娘は彼の目をみつめ、2人が分かち合った愛の深さは信じられないほどのものでした」と述べ、娘の死に際の望みがかなったことだけでも心が癒されると語った。
ハナさんの葬儀は日曜日の午後2時からハナさんが2年前まで学生だったブリスベンのオール・ハロウズ校の礼拝堂で執り行われ、式は同時にハナさんとトムさんの結婚式ともなる予定。「娘はウェディングドレスを着たまま埋葬され、2人の小犬が指輪を運んでくれます」と、トレーシーさんは語っている。