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ティーカップサイズの雹が降り、NSW州北部に大被害発生

 【シドニー10日AAP】9日午後に、NSW州北部海岸地域のリズモアを襲った大粒の雹(ひょう)は、同市に1千万ドル近くの被害をもたらし、同州のネーサン・リーズ緊急サービス相は10日、同市を自然災害被災区域と指定した。

 2回にわたって同地域を襲った雹は、何百件もの住宅や車の窓や屋根を破壊し、州緊急サービス(SES)には、人口3万人の同市とその周辺区域から500件以上の電話が入ったという。建物への最大の被害を受けたのは市内の聖アンドリュー英国教会で、破壊されたステンドグラスと石版の屋根の修理費に500万ドルかかると見積もられている。リズモア病院では窓と天窓が割れ、市役所の建物には少なくとも80万ドルの被害が生じたとみられている。

 リズモア市長のマーブ・キング氏は、「雹の大きさはティーカップほどもあり、驚いた。リズモアに75年間住んでいるいるが、あのような雹の嵐をみたのは初めてだ。雹によって叩き落とされた木の葉と樹皮が深さ6インチほども積もり、辺りはまるで刻まれたキャベツのようになっている」と、嵐の激しさを語った。

 市内の商店街で生後8ヶ月の赤ちゃんと買い物をしていたリズモア住民のメリッサ・ガルビンさんは、「雹が降ってきたのでショッピングモールの中へ避難し、雹が降ってくるのを見ていたの。とても大きな、この世の終わりを思わせるような異様な音が聞こえ始めて、私の娘を含めすべての赤ちゃん達が泣き始めたわ。それとほぼ同時に1つの大きな雹が2つの天窓を割ったの。みんなパニック状態だった」と、当時の状況を語った。

 同地域には、木曜日と金曜日にも嵐の予報が出されており、同州全域からSESボランティア人員が同地域へ呼び集められ、約150人が最悪の事態に備えて準備中。同州の他の地域でも被害が出る恐れがあるという。

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