一般

母親に殺害された男児の遺族、政府の児童保護制度を非難

 【シドニー22日AAP】先週、シドニー南西部のアンバーベルの池に捨てられていたスーツケースの中にディーン・シリングスワース君(2)の腐乱遺体が見つかり、ディーン君の母親、レイチャル・プフィッツナ―容疑者(26)が殺害容疑で逮捕された事件で、ディーン君の遺族は政府の児童保護制度の在り方を非難した。

 ディーン君の叔母、リタ・ライトさんは22日、ディーン君が殺害される数週間前、ディーン君の生活環境を懸念した家族がコミュニティーサービス省(DOCS)に連絡したにも関わらず、DOCSが対策を講じなかったことに対して憤りを見せた。ライトさんは「助けを求めて泣いている子供たちは世の中に大勢いる。今こそDOCSと州政府が協力して行動を起こすべきときだと思う」と語った。

 モリス・イエマNSW州首相は、DOCSは現在、ディーン君の家族と連絡をとった回数やその方法を確認する記録データを収集していると話した。また、DOCS職員がディーン君を保護するためにさらなる措置をとるべきだったかを判断するには時期尚早だとした。

 「現段階では警察の捜査も続いており、今後は法的措置もあるだろう。オンブズマンは現在、2歳までの幼児の全死亡ケースの見直しを行っている。DOCSは今後、これらの調査に協力する。調査結果が出るのを待ちたい」とイエマ氏。

 プフィッツナ―容疑者の母親は、薬物問題を抱えていたと思われる娘について、「娘は助けを必要としていたが、誰からも手を差し伸べられることはなかった」と泣きながら語った。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら