【シドニー1日AAP】世界がん研究基金が発表した最新の報告書によれば、サラミ、ハム、ベーコン、コーンビーフを含むすべての加工肉に発がん性の疑いがあり、オーストラリア人の典型的なソーセージ、ベーコン、卵焼きの食事が健康に悪影響を与える危険が指摘された。
過去最大規模でライフスタイルと発がんとの関連を調査した同報告書では、肥満、喫煙、アルコールが発がんに最も密接に関係しているとされ、さらに加工肉が幾つかの種類のがんの発病原因となっている危険性があることから摂取を避けることが奨励されている。
バーベキューしたソーセージと、サラミサンドイッチが大好きなオーストラリア人にとって、加工肉摂取を避けるようにという意見は大きな問題であり、栄養学者の間で大きな議論となっている。栄養学者のローズメリー・スタントン博士は、「加工肉食品はオーストラリア人の食生活で中心的なものの1つとなっており、親たちは高い塩分や保存料などの添加物のことを考えないまま子供のランチにサラミサンドイッチを作っています。これは改善されるべき問題です」と、加工肉食品の危険を訴えた。
しかし、CSIROの栄養学主任ピーター・クリフトン博士は、同報告書の見解は度を過ぎていると述べ、「加工肉食品の摂取を制限するのはいいことだが、完全に食べるのをやめるように奨励することは、まるで加工肉が毒物だといわんばかりだ。今回の報告書のデータからはそこまでの危険性は証明されていない」と反論した。
過去40年間にわたる7000件の研究を基に行われた今回の研究で、がん予防のために最も強く奨励されたのは肥満を防止することで、さらにアルコールとジュースを避けること、1日30分間激しい運動をすること、赤ちゃんを母乳で育てること、また野菜や果物の摂取をできるだけ増やしビタミン剤などに頼らないことが奨励されている。