【シドニー8日AAP】世界的に肥満は健康に悪影響があるといわれているが、米国で行われた最新の研究結果によれば、すこしだけ太めなのは健康に悪影響を与えず、むしろ健康維持を促すという。
米国ジョージア州アトランタの疾病管理・防止センターが行った同研究では、米国の成人230万の2004年の死亡率統計値が分析され、肥満度指数(BMI)が25~30の太めの人は、俗に普通体重、痩せすぎ、または肥満と称される人達と比較して死亡率が低いことが明らかになった。また太めのグループは、腎臓病や糖尿病になる確率は高かったが、心臓病やがんによる死亡率は少なく、事故死、アルツハイマーやパーキンソン氏病などのがんや心臓病と無関係な原因で死亡する率が非常に少なくなっていうという。これに対し、BMIが30以上の肥満グループでは、心臓病やがんを含むさまざまな病気において死亡率が高くなっている。
NSW州太りすぎ・肥満センターのイアン・カーターソン教授は、「太りすぎのグループの下部に位置する白人が大きな健康問題に面する危険が少ないのは事実ですが、27以上のBMIを持つ人たちの75%が高血圧や糖尿病などの病気を1つもっているのも事実です。我々はこの太りすぎ問題に面する最初の世代となるために、死亡率と太りすぎの関係をまだ完全に把握していません」と、同研究結果に対して慎重な見方をするよう呼びかけた。
2005年の全国健康調査結果によれば、オ―ストラリアの成人の33%が太りすぎで、さらに16%が肥満となっている。