【シドニー18日AAP】NSW州のシドニーにあるリハビリテーションセンター、オディシー・ハウスの年次報告書によると、治療のためにセンターに入所する理由のトップがアルコール中毒で、アイスやヘロインなどの薬物中毒が原因で入所する割合を超えた。
アルコールが原因で入所した割合は昨年とほぼ同じの28%だったが、2005年の20%からは大幅に上昇した。アイスやエクスタシーなどのアンフェタミン系薬物が原因で入所した患者は26%を占め、昨年の15%から上昇。一方、ヘロイン中毒者の入所率は昨年の31%から減少し、今年は18%にとどまった。
同センターへの今年の入所者数は、昨年の614人から34%上昇し、825人だった。18歳~30歳の年齢層が入所者全体の57%を占め、全体の68%が男性。
オディシー・ハウスのジェイムズ・ピッツ所長によると、同センターの入所者の70%がアルコールに関する深刻な問題を抱えている。「違法薬物の問題は深刻で、ニュースで取り上げられることが多い。しかし、実際はアイス、ヘロイン、マリファナなどの薬物よりもアルコールの問題を抱えているオーストラリア人が非常に多いという事実を認識すべき」とピッツ所長。
また、ピッツ所長は、飲酒や薬物摂取の低年齢化がみられ、初めて飲酒と薬物摂取を経験する年齢の平均が、1970年代は17歳~19歳だったのに対し、今では13歳まで低年齢化していると話した。