【シドニー23日AAP】パンチボウル公立学校の2年生、イサラエル・ペレ君(8)が18日、2つの病院で診察を受けたにも関わらず、髄膜炎で死亡した件で、NSW州の公立病院システムが問題となっている。
同件で、医師は死亡原因である髄膜炎に関するテストを実施しなかったことを認めた。
16日、バンクスタン病院の医師は両親に対し、イサラエル君に鎮痛剤とレモネードを与えるように指示し、帰宅させた。同病院は、イサラエル君の嘔吐、発熱、頭痛などの症状を記録をしていた。
翌日、ウエストミッド子供病院でベテラン医師4人が診察に当たったが、イサラエル君は再び帰宅を許可された。
レバ・ミーガー保健相は、同件に関する調査の実施を約束するとし、「これは最悪の事態。病院で実施されたテストの手順や結果について調査が実施される予定。現在は検死官からの報告書を待っている段階」と語った。
イサラエル君は16日、バンクスタウン病院から帰宅する前に38度の熱と吐血が見られた。また、ウエストミッド病院では、イサラエル君の目は正常ではなく、家族の顔も認識できない状態だったという。
ウエストミッド病院のトニー・ペンナ氏は23日、嘔吐と頭痛の症状がみられる子供全員に髄膜炎のテストを実施することは不適切と、病院スタッフを擁護する発言をした。「髄膜炎の進行は速く、初期段階では特有の症状は見られないが、12時間から24時間以内で病状が悪化する」とペナン氏。同氏は、イサラエル君は点滴で脱水症状が治り、帰宅を許可した時点では、病状は一定レベルにまで回復していたとした。