【キャンベラ27日AAP】オーストラリアが国家として発展している一方で、国内の貧困層が拡大している。これを受け、ケビン・ラッド首相はキャンベラで27日、ホームレス問題を国家の緊急課題として取り組むため、労働党は今後、長期的かつ包括的な計画を立てる方針を発表した。
ラッド首相は、同問題に関して公式文書を8月までに完成させるよう指示を出した。
「この21世紀において、我々のような豊かな国がこのような問題を無視し、放置すべきではない」とラッド氏。
27日、メンバーの多くがホームレスというハード・ノックス聖歌隊は、国会の中庭でラッド首相とタンニャ・プリバセック住宅相を前に演奏を行い、その後、ラッド氏による今回の発表が行われた。ハード・ノックス聖歌隊のメンバーの多くが貧困に苦しみ、彼らの問題を解決するために聖歌隊が結成された。ラッド氏は、彼らはオーストラリア各地で貧困に苦しむ約10万人のホームレスの代表だとした。
毎晩約1万人の子供がホームレスで、約1万4000人の大人が路上で寝る生活をしており、その状況はいまも改善されていない。
ラッド氏は、選挙時の公約だった1億5000万ドルを使用して、貧困に苦しむ人々のために新しい住宅の建設を約束した。しかし、まず最初の段階として、公式文書の作成と、専門家によって完成された政府の方針を示す公式声明の作成が必要だという。