一般

臓器提供推進キャンペーンがスタート

 【シドニー16日AAP】多数のオーストラリア人が、ドナーがあらわれるのを待つ間に命を落とす可能性がある。臓器提供推進週間の初日である16日、オーストラリア赤十字は、現在1800人の患者がドナーを待っているという現状を訴えた。

 赤十字によれば、ドナー1人につき10人の命を救うことができるという。しかしドナー不足のために、心臓や肺、肝臓の移植手術を必要とする患者のうち20%は、手術を受けられないまま死亡してしまうという。また、たとえドナー本人が生前に臓器提供を希望していても、約半数のドナーの家族が臓器提供に反対することが、移植への大きな障害となっている。

 リバ・ミーガーNSW州保健相は「ドナー登録の推進も重要ですが、さらに重要なことは、みなさんが臓器提供の意思を家族と話し合うことです。こうすることで、万が一の事態にあなたの意志が反映されるからです」と呼びかけている。

 バリー・オファレルNSW州野党リーダーは、2006年のオーストラリアでの臓器提供者数はわずか198人で、移植件数は626件だったことを指摘したうえで、国内最低であるNSW州の臓器提供率に対して州政府は何らかの対策を取るべきだと主張した。

 嚢胞性線維症を患っているダニエル・カートライトさん(24)は「臓器提供について考えたいという人は少ないでしょうが、提供することで、誰かの命を救うことができます」とシドニーで記者団に語っている。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら