【キャンベラ30日AAP】アメリカ訪問中のラッド首相は、ニューヨークでバン・キムン国連事務総長と会談を行い、戦乱と飢餓で苦しむスーダン・ダルフール地区にオーストラリア陸軍将校9名を派遣すると約束した。
ダルフールでは5年前に内戦が勃発して以来、戦火や飢えが原因で、これまでに犠牲者数は40万人近くにのぼっている。国連平和維持軍に対するオーストラリアの貢献はわずか陸軍将校9名と、非常に小規模である。これについてラッド首相は、スーダン政府が西側諸国の影響力を排除しているためだと説明し、「残念ですが、これが現実です。英国やカナダも同様に、国連平和維持軍への貢献は軍将校9名ほどです」と述べている。
オーストラリア政府は、ダルフールの人々への人道支援として、500万ドルの追加支援金を約束している。ラッド首相は「ダルフールでは非人道的な悲劇が続いており、国際社会には解決に向けて努力する責任があります」とコメントしており、スーダン政府が国連による平和解決を妨害している点を指摘し、安全保障理事会がさらなる努力をするよう呼びかけている。