【キャンベラ15日AAP】大手ファッションブランドのヒューゴ・ボスがオーストラリア羊毛産業で行われているミュールシングを批判し、オーストラリア産羊毛製品をボイコットする可能性を示唆する発言を行った。
衣料大手のアバークロンビー・アンド・フィッチ、ティンバーランド、H&Mなどがオーストラリア産羊毛製品をすでにボイコットしている。
ミュールシングとは羊へのうじの寄生を防ぐため、子羊の尻の皮膚を麻酔なしで切り取る手術。
ヒューゴ・ボスは声明文で「ミュールシングの廃止を求める。これは我々の企業価値に反している」と発表。オーストラリア羊毛産業に対し、2010年までにミュールシングを廃止しなければ、オーストラリア産羊毛製品をボイコットする意志を表明した。
また、同社はミュールシングの代替方法としてクリップを使用することも拒否。オーストラリア羊毛産業は、羊の皮膚のしわにクリップを装着することで、ミュールシングの役割を果たすと考えており、今回の決定はオーストラリア羊毛産業に大きな打撃を与えることになる。ノーム・ブラックマン獣医は「羊毛産業に対し敵意を抱いている動物愛護団体は、ミュールシングの代わりとなるクリップの使用に否定的なイメージをもたらそうとしている。ヒューゴ・ボスが誤った情報を動物愛護団体から得ていることは非常に残念」と述べた。
一方、オーストラリア羊毛産業は2010年までにミュールシングを段階的に廃止することをすでに決定しており、ヒューゴ・ボスのボイコットが及ぼす影響もそれほど大きくないと見られている。