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ラッド首相、京都大学で講演 森林保護で日本に技術面の協力を要請

 【京都9日AAP】訪日中のケビン・ラッド首相は9日、京都大学で講演を行い、オーストラリアと日本は森林を守ることで発展途上国を支援できるような技術システムに共に取り組むべきと主張した。

 ラッド首相は、発展途上国が熱帯雨林で蓄積される炭素を測定できるように支援し、また伐採を行わないことで防ぐことができる温室効果ガスに対してこれらの国はクレジットを受けるべきとした。国際炭素クレジッド取引スキームのもと、発展途上国は炭素排出量が多い国に対し炭素クレジットを効率的に売ることができる。

 ラッド首相は「森林で蓄積される炭素の測定には人工衛星からの監視と現地の観察が不可欠である。両国はその測定に必要な高い技術を保持している」と語った。オーストラリア全国炭素会計システム(NCAS)は今まで開発された中で最も高度なシステムのひとつとして認知されている。

 オーストラリアはパプアニューギニア共和国と炭素パートナーシップをすでに締結している。また今週末にはインドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領と同様の協定について協議を行う予定。

 ラッド首相は11日、東京で福田首相と会談し、同問題を取り上げる予定。「東京で行われる会談で、オーストラリアと日本が持つ炭素の蓄積量を測定する専門的技術を発展途上国へ提供することで、現地の生物の多様性を保護しながら伐採を減らし、持続可能な生活を促進するための市場ベースのイニシアチブを支援することができるよう合意が得られることを期待する」とラッド首相。

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