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「歴史教育に偏りがみられる」 NSW州教育相

 【シドニー9日AAP】マイケル・クーツ・トロッターNSW州教育相は、州内の歴史教育ではオーストラリアの歴史教育に重点を置いている傾向が見られ、ナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)のような重大な出来事について学ぶことなく学生たちが社会に出ていることに懸念を示した。

 同教育相は、州内の高校の校長たちへの演説の中で、ホロコーストがNSW州の歴史教科の必修学習項目から削除されたことを1カ月前に知ったと述べ、「豪クリケット界の伝説の選手について学ぶのはとても結構なこと。しかし、ホロコーストは歴史上に起こった悲劇であり、社会に出る前に知っておくべきことだ」と語った。

 ウーロンゴン大学のグレゴリー・メルウィッシュ歴史・政治学教授も「例えば過去の世界大戦に関する学習でも、オーストラリアがどのように戦争に関わったのかということのみを勉強して、当時世界中で実際に起こっていた事については触れない傾向にある」と述べ、国全体の歴史教育がオーストラリア国内での出来事に固執しすぎているした。

 一方、州政府教育省のスポークスウーマンはこれらを否定し、「ホロコーストに関する出来事については、必修及び選択科目内で勉強する機会を設けている」と述べた。

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