【メルボルン11日AAP】11日に発表された連邦政府による年金に関する報告書で、65歳以上のオーストラリア人の約80%(200万人以上)が満額、あるいは一部の年金、またはそれに関連する補助金を受給していることが分かった。
同報告書によると、オーストラリアの年金受給者の生活レベルはそのほかの西洋の先進諸国よりも低く、オーストラリアの年金支給額はOECD諸国の平均以下という。
年金報告書を発表したコミュニティー・サービス相のジェニー・マックリン氏は、年金受給者の13%に個人収入がなく、大部分が年金に加えて週20ドル以下の個人収入を得ているのみとした。マックリン氏は「資産額が著しく低い年金受給者が多く、実際、預金口座の残高が1000ドル以下の割合が30%も占めている」とした。
また、単身者の年金支給額は週273ドルで、夫婦に支給される週456ドルのわずか60%。OECD諸国における単身者への平均支給額は夫婦への支給額の63%で、オーストラリアの単身者の生活レベルが低いことが分かる。
オーストラリア高齢者協会のマイケル・オニール会長は、単身者への支給額は夫婦への支給額の3分の2(66%)とすべきとした。オニール会長は「それはつまり支給額を週30ドル引き上げることになり、10億ドルのコストがかかる」と語った。
マックリン氏は、連邦政府は今後5年にわたり52億円を拠出し、高齢者に対する電気・ガス・水道料金の控除額を107ドルから500ドルへ引き上げるとともに、年金受給者に500ドルのボーナスを支払うことを公約したと語った。