【シドニー6日AAP】身分詐称が国内で最も急増している犯罪であることが判明し、クライム・ストッパーズは国民に対し個人情報をゴミ箱に捨てないように注意を促した。
オーストラリア統計局(ABS)は、身分詐称の被害者は過去1年で50万人に達し、国家経済への被害総額は推定10億ドルにおよぶとした。また被害が最も多いのは20、30代の働く女性だという。
身分詐称の危険性が高まる一方、世論調査の結果では約70%が銀行やクレジットカードの明細書、社会保障やタックス・ファイル・ナンバーの詳細、光熱費の請求書、そのほか個人情報をゴミ箱に捨てると回答していたことが分かった。
クライム・ストッパーズは国民に対し、明細書や個人情報、またCDなどに保存されているデジタル情報も捨てる前にシュレッダーで処分するように勧告した。クライム・ストッパーズのピーター・プライス会長は「これが犯罪者からみなさんの個人情報を保護する唯一の方法」と語った。
ABSによると、クレジットカードや銀行口座の詳細を利用した不正な取り引きで最低1回は被害を受けたことがある人は昨年1年間で38万3300人。また、事業経営、口座開設、ローンの申し込みに運転免許証、タックス・ファイル・ナンバー、パスポートを不正に利用された被害者数は12万4000人だった。