【キャンベラ30日AAP】 連邦政府のチオボ貿易相は今週、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加を表明する10か国から代表を迎え、シドニーで会合を開く。TPPは、今年11月にベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)会議での調印を目指すが、ベトナムがこれを拒否する可能性を指摘する専門家もいる。
さらにTPPをめぐっては、米国のトランプ大統領が今年初め、離脱を表明。戦略国際問題研究所のマシュー・グッドマン氏は、ベトナムはもともと幅広く米国市場へ参入するという条件と引き換えに、困難な国有企業などの改革を受け入れた経緯があり、米国市場への参入というメリットがなくなった今、ベトナムがTPPを推進する理由が見当たらないと指摘している。
グッドマン氏は、米国に加えベトナムが離脱した場合、残る10か国でTPP協定を調印することは、3番目にベストな選択肢としており、交渉そのものが「立ち消え」となるよりは望ましいとしている。さらに同氏は、米国は、オーストラリアと日本に交渉を続けることを奨励し、自分たちが戻ってくるまで「席を温めておくよう」仕向けている可能性があるとの見解も示している。