【シドニー3日AAP】 オーストラリア心臓病支援基金の新研究によると、心肺停止を起こした人に一刻も早い心肺蘇生措置(CPR)をすることで救命率が2倍になるが、多くのオーストラリア人がCPRの正しいやり方を知らないことが結果でわかった。
研究者であるモナシュ大学のジャネット・ブレイ博士は、心肺停止で救急サービスに電話があった録音記録から、近くにいた人がCPRをしなかった175件のケースを調査したとし、「CPRをしなかった理由の多くは、電話をかけてきた固定電話が患者のそばにない場合や、心肺停止の兆候について知識不足なこと、冷静に処置・対応ができないことが挙げられる」としている。
心臓病支援基金によると、国内では毎年およそ1万5000件の心肺停止が発生しており、1万人が死亡しているという。心肺停止に陥ったあと、蘇生措置が1分遅れるごとに救命率は10パーセントずつ低下していくため「CPRを学ぶことで救命率を高めることができる」と呼びかけている。