【シドニー29日AAP】オーストラリアの各都市で28日に行われた「アース・アワー」のイベントで、1時間照明が消された。今回87カ国が同イベントに参加し、世界の首脳たちに対し地球温暖化への断固たる措置を求めた。
「アース・アワー」の主催者は、約4000都市が参加した今回のイベントで10億人にメッセージを伝えることができたと語った。「アース・アワー」は2007年にシドニーで始まり、当時の参加者はわずか200万人だった。今年はオーストラリア各地で308カ所の市政機関が登録した。NSW州で114カ所、VIC州で54カ所、WA州で43カ所、QLD州で37カ所、SA州で29カ所、NT準州で16カ所、TAS州で15カ所。
イベントは28日夜に始まり、シドニー・オペラ・ハウスの有名な白い帆の部分が消灯し、シドニー・ハーバー・ブリッジも1時間ほとんど見えなくなった。メルボルンのフェデレーション・スクエアでは数千人が集まり、ペダルをこいでコンサートを行った。
世界自然保護基金(WWF)オーストラリアのグレッグ・ボーン会長は、新たな地球温暖化対策の枠組みづくりを議論するために12月にコペンハーゲンで開催される気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での取り組みに対してオーストラリアは支持を示したと語った。
エナジー・オーストラリアは今回のイベントでシドニーCBDでは9%排出量が削減され、これは炭素の放出を21.4トン削減したことに相当するとした。オーストラリア研究所のリチャード・デニス氏は、すでに計画されている排出権取引制度に政府が修正を加えなければ、来年は自主的な行動だけでは無意味なものになるだろうと語った。ボーン氏は「1時間で削減できたエネルギーは重要ではない。残りの365日をどのように過ごすかがより重要」と語った。
エジプトのピラミッド、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディング、ロンドンの国会議事堂など世界中の数々の著名建造物で消灯が行われた。