【シドニー15日AAP】 アボリジニ絵画の巨匠アルバート・ナマジラ氏の作品の著作権が家族に返還され、著作権をめぐる30年もの争いがついに集結した。
中央オーストラリアのアランダ族出身のナマジラ氏は、西欧の水彩画法を学んだ最初の画家で、生涯でおよそ2000作品の絵画を描いていた。ナマジラ氏の作品は1947年にエリザベス女王の21歳の誕生日に贈られている。
1957年にナマジラ氏は著作権の一部を友人であるリーガル・プレス社のブラッケンリグ氏に売却し、1959年に死去した際に残りの著作権は家族が相続する遺言を残していた。
しかし1983年に、NT準州の管財人が家族に相談なく全ての著作権をリーガル・プレス社に8500ドルで売却して以来、リーガル・プレス社がナマジラ氏の絵画や画像、印税に制限をかけていた。
リーガル・プレス社の現社長とつながりのある億万長者で慈善家のディック・スミス氏が、電話で15分会談したところ、1ドルでナマジラ・レガシー信託に返還されることになり、お返しにスミス氏が同信託に25万ドル寄付したという。