【キャンベラ28日AAP】アクセス・エコノミックスは来年度末までに失業率が8%を超えるだろうと予想している。一方で、オーストラリア経済の不況は他国と比べてそれほど深刻にはならないとした。
アクセスの専門家によると、2010年末までに100万人のオーストラリア人が職を失い、失業率は8.5%になると予想され、現在の5.7%から著しく上昇することになる。アクセスは3カ月前に2010年までに失業率が7.5%に上昇すると発表しており、今回の見通しはそのときよりもさらに厳しい。前回失業率が8.5%だったのは1997年の初旬。
アクセスは家庭や企業は消費よりも貯蓄し始め、失業率の上昇に伴って需要成長のペースが後退するとした。
一方で、アクセスはオーストラリアの景気がほかの国よりも深刻にならない理由はたくさんあるとした。アクセスは「楽観視できる主な理由は銀行の健全性が高いこと、政治家による促進剤(大規模で迅速な経済刺激パッケージや金利の大幅カット)への批判、オーストラリアの関連諸国(特に中国)が世界のどの国よりも成長度が高いことなど」を挙げている。
ジュリア・ギラード雇用相は、政府は世界金融危機が雇用に与える影響について政府は最新の動向を見ているとした。一方、野党の雇用スポークスマンのマイケル・キーナン氏は連邦政府は経済予想を利用し最新の動向をもっと観察する必要があるとし、対応の遅れを批判した。国際通貨基金(IMF)は来年のオーストラリアの失業率が7.8%に上昇すると予想しており、これは連邦政府の最新予想の7%を上回っていた。