【シドニー5日AAP】 TVコメディ番組「The Chaser’s War on Everything」が、余命短い病気の子供たちを笑いのネタにしたことで、大きな波紋が広がっている。ABC局では、今後2週間、この番組の放送を見送ることを決定した。
ABC局のマーク・スコット最高責任者は「これが最も適切な処置だと私たちは判断した。こうすることで、ABC局は編集承認手続きをしっかりと調査することができる。また、The Chaser の制作チームを立て直し、題材を再検討する機会も得られる」と述べている。
問題となっているのは、3日夜に放送された番組内の「現実的な願いを叶える基金」と題する1コマで、余命短い病気の子供たちを題材にして、俳優クリス・テイラーが「どうせこの子たちは死ぬのだから、お金のかかる願いを叶えてあげるのは無意味だ」と締めくくっていた。放送後、ABC局のウェブサイトには視聴者からの苦情が殺到した。ラッド首相は「番組制作チームは非常に悪趣味であり、恥じて顔を伏せるべき」と痛烈に批判している。
5日、マーク・スコット最高責任者は、苦痛をもたらしたことについて謝罪し、内容が行き過ぎていたことを認めた。また、放映を許可したことは誤った判断だったと認めている。番組は6月24日(水)から放送が再開される予定。