【シドニー8日AAP】 医師は処方箋が必要な鎮痛剤に依存するホワイトカラー層の中流階級の人々が新たに増えていると警告した。
ロイヤル・オーストラーシア・カレッジ・オブ・フィジシャンズ(RACP)の研究の結果、モルフィネやオキシドコンのようなオピオイド鎮痛剤の供給量は2000年以降4倍になり、依存症数も著しく増加していることが分かった。さらに、オキシドコンやモルフィネは慢性的な痛みを治療するために医師によって簡単に処方され、研究によるとGPは鎮痛剤を処方する頻度が高いという。
オキシドコンは別名ヒルビリー・ヘロインと呼ばれている。またオピノイドは2008年に薬物中毒で死亡した俳優ヒース・レジャーの死因となった薬である。
シドニーのセント・ビンセント病院のアレックス・ウォダック氏は、オーストラリアは米国に次いで処方されたオピノイドに依存する人の数が急激に増加しているとした。また、依存者の多くが社会的・経済的地位が比較的高いことが分かっている。ウォダック氏によると、米国ではオピノイドの過剰摂取による死亡者数がヘロインによる死亡者数を上回り、その差はますます拡大しているという。オーストラリアはオキシドコンやモルフィネの処方率が米国と類似しており、米国と同様に過剰摂取による死亡者数が増加する時も近いかもしれない。