【ブリスベン22日AAP】 子供医療専門家は、アボリジニ・コミュニティーで新型インフルエンザの感染が拡大し、さらなる死者がでる可能性があると警告した。ロイヤル・アデレード病院で19日、新型インフルエンザの感染が確認されたアボリジニの男性(26)が死亡した件を受け、WA州の医療関係者は今週、遠隔地で暮らすアボリジニ・コミュニティー、キワークラの住人を調査する予定。
QLD州やNT準州のアボリジニ・コミュニティーの近隣で働く小児科呼吸器科のアンナ・チャン医師は、新型インフルエンザ感染がアボリジニ・コミュニティーにまで及ぶことは避けられないとした。チャン医師は「コミュニティーでの感染拡大は極めて深刻。入院が必要な子供が続出し、死者が出る可能性も高い。彼らは不衛生な環境で生活しているため、いかなる感染もほかの場所よりも深刻な影響をもたらす」と語った。
チャン医師によると、オーストラリア各地の遠隔地に暮らすアボリジニの子供の70人に1人が慢性肺疾患を患っているという。「成人の慢性肺疾患の発症率も高く、また糖尿病、メタボリック・シンドローム、心臓疾患、腎臓疾患などのそのほかのリスク要因もある」とチャン医師。