【シドニー26日AAP】 オーストラリアの高齢化問題に取り組む方法を模索するため、NSW州の45歳以上の男女26万人の生活習慣に焦点を当てた南半球で最大規模の調査が実施される。NSW州政府が資金援助を行い、45以上の調査がサックス・インスティチュートによって実施される。
ポール・リンチ高齢化相は今回の調査は政府の2030年計画の一環で、今後数十年にわたり参加者の健康状態を把握する。65歳以上の人口は2030年までに2倍になり、2047年までには全人口の25%を占めると予想されている。リンチ高齢化相は「この調査は急速な人口の高齢化にともなう今後の医療政策やサービスの方針を決定するものとなる。収集されたデータから、研究者や政府は、がん、心臓血管疾患、関節炎、うつ病、アルツハイマー病、糖尿病などの発症を予防する方法についてより理解を深めることができる」とした。
シドニーのパドストウ・ハイツ在住のギラン・ハッチンソンさん(78)は今回の調査の参加者の一人で、人々が高齢になってからも心身ともに健康でいることは非常に重要だと語った。ハッチンソンさんは関節炎のための早期退職を余儀なくされ、その後1997年に乳がん、2006年には糖尿病と診断された。しかし、週2回は卓球をし、月に9日間ほどシドニー大学のギフトショップで運営に携わるなど、積極的に活動している。ハッチンソンさんは「ボランティアで調査に参加することは研究のためだけではなく、コミュニティーに貢献できる点でも非常に意義がある」と語った。