【キャンベラ31日AAP】 オーストラリアは昨年度、永住権保持者数の3倍の一時移住者の受け入れを行った。連邦政府は、これにより一時移住者がオーストラリア国内の仕事を奪っているという見方を否定した。エバンズ移民相は、一時移住者(半数以上は外国人留学生)はオーストラリア人が選ばないような低賃金の仕事に就いているとし、一時移住者の受け入れを擁護した。さらに、エバンズ移民相は外国人季節労働者やバックパッカーはオーストラリア人の仕事を奪っていないとした。
一方、オーストラリア建設・林野・鉱山・エネルギー労組(CFMEU)は、雇用者はこのシステムを使用して外国人労働者を搾取していると非難した。CFMEUのジョン・サトン会長は、雇用主は豪人やアボリジ二を雇う費用を使って、貧しい国から一時移住者を雇っているとした。「外国人労働者はたとえ低賃金で雇われていても、その収入はマニラや北京などの母国での収入よりも高い」とサトン会長。
昨年度、渡豪した一時移住者数は65万7124人。一方、同時期に渡豪した永住権保持者は17万1318人で、経済不況の影響で技術移住者数が減少した。統計によると、雇用主指名ビザ保持者数は2008/09年度に60%増加した。サトン氏は、雇用主指名ビザ保持者数の増加は、若い豪人が企業で教育されていないことを意味するとした。
議会は5年~10年の移民計画の策定を承認し、オーストラリアが今後必要するタイプの移民を検討する予定。エバンズ移民相は、高齢化が進むオーストラリアは移民大国を目指す必要があり、ヨーロッパや北米と技術移住者の奪い合いになるだろうとした。