【シドニー6日AAP】 NSW州政府は、大人は他人に干渉したくないという気持ちに負けることなく、育児放棄や児童虐待のわずかな兆候も見逃さずに通報すべきであるとした。NSW州コミュニティー・サービス相のバーニー氏は、同州では03年から07年の間に育児放棄、あるいは虐待の疑いのある55人の児童の死が報告されていなかったとした。
バーニー氏は「一歩はなれて、係わらないようにすることは自然な人間の心理。しかし、多くの場合、懸念や疑いは真実であることが分かっている。大人は育児放棄などの兆候について認識しておく必要がある」と語った。例えば、教師の場合、児童が真冬に夏の制服を着用している、昼食がない、お風呂に入っていない、適切な食事をとっていないなどがネグレクトの兆候と判断できる。
またバーニー氏は、コミュニティーは虐待に対して慎重になるべきとした。公共部門の改革で、6、7の政府機関が今後、児童福祉部を設立する予定で、さらなる情報交換が可能になることから、来年度からは育児放棄や虐待の兆候を通報する人の数が20万人になるという。