【キャンベラ6日AAP】 心臓財団の圧力団体は、先住民の高い喫煙率が先住民と非先住民の寿命の格差を拡大しているとした。現在、全オーストラリア国民の19%が喫煙者であるのに対し、先住民の喫煙者は約50%。
たばこ基金のスポークスマン、モーリス・スワンソン氏によると、この寿命格差は喫煙によって引き起こされる心血管疾患やそのほかの病気の高い発症率が原因だという。スワンソン氏は「心臓財団は心血管疾患による死亡率の格差を縮めることに協力することを約束している。アボリジニやトレス諸島民の喫煙の拡大と摂取を減少させることがこの目的を達成するために重要なことである」と述べた。心臓財団は政府に対し、たばこ問題に対処する専門家への資金や研修の提供、さらに妊婦に喫煙を止めさせる専門家のための資金提供を要求した。
セーブ・ザ・チルドレンが5日に発表した報告書では、アボリジニとトレス諸島民の子供は5歳に達する前に死亡する確率が非先住民の子供よりも3倍高いことが判明しており、その死亡原因として医療サービスへのアクセスの悪さ、栄養不足、住宅や社会的状況が挙げられた。
先月、連邦政府の国家予防衛生対策委員会はオーストラリアを2020年までに世界で最も健康な国にする計画を発表した。同計画では、国内の喫煙率を下げるために、たばこ30本入りの箱の平均価格を3年で13ドル50セントから20ドルへ値上げするなど、たばこ税の引き上げを推奨している。