【シドニー 29日AAP】 金融危機の影響で、過去1年間に社会福祉に依存する高齢者人口が急増したことが明らかになった。
家族・住宅・コミュニティサービス・先住民関係省の年次報告書によれば、昨年の金融危機の影響で株価や配当金、利率などが下落した結果、年金受給者の個人所得が20%減少したという。今年6月末までの年金受給者1人あたりの平均収入は3652ドルで、前年は4504ドルだった。高齢者夫婦の平均収入は4369ドルで、前年の5327ドルから減少した。また、年金受給者のうち64%が、最大額である671ドル90セントを2週間ごとに受け取っており、前年の56%から増加した。
ナショナル・シニア・オーストラリアのオニール会長は「経済的に自立した高齢者の割合が以前のレベルに戻るには、何年もかかるだろう」と警告した。年次報告書によれば、現在、高齢者人口の3分の2以上に相当する212万人が、老齢年金を受給しているという。